チューニングパーツ

■Do-Luck Torque Manager

for Evolution D-ACD-M 製品Q&A

○…まず「D-ACD-M」とは?
ドゥーラックD・T・M《D-ACD-M》は、ランサーEVO(CT系)に搭載される「ACD(:アクティブセンターデファレンシャル)」を、任意にセッティングする事が可能なものです。DTMはこれまでに各社がリリースしてきたACDのプログラム自体を変更するものとは制御・機構共に大きく異なり、ACDの基本プログラムには介入せず、ACD制御用の4WDECUに入力される複数の信号の内の「Gセンサー」の入力値に増減を加える事で、ACDによるセンターデフの作動制限をコントロールする事が可能なのです。

○…そもそも「ACD」ってどんなシステム?
ACDの制御はノーマルの場合「ターマック」「グラベル」「スノー」の3つのモードが存在し、Gセンサーの他にもステアリング舵角や車速等様々なセンサーを駆使してセンターデフの作動制限を変化させています。例えば、ブレーキング時にはより安定性を高めるためセンターデフはロック方向(直結4WD)に、ターンイン時にはより高い旋回性能を得る為にフリー方向に、そして立上がり時にはより強い加速性能を得る為にロック方向に…といったような制御を行い走行性能を向上させています。そして上記の3つのモードは、それぞれの路面状況に最も最適と考えられるセッティングとなっており、簡単に表すとターマックモードが最も旋回性能重視(センターデフフリーの比率が多い)していて、グラベルモード⇒スノーモードの順でより安定志向(センターデフロック方向の比率が多い)でトラクション性能を重視したセッティングに変化すると言えます。
しかし、非常に高度で繊細な制御を行うACDですが、アフターパーツでチューニングを行った車や、刻一刻と変わる路面やタイヤのコンディション変化によっては、どうしてもドライバーの好みに合わない状況は多々発生します…。例えばサーキットでのスポーツ走行等において、「タイムを削り取るにはなるべく高いトラクション性能が必要だからセンターデフは極力ロック方向で走りたいけど…進入でのアンダーステアも抑えたいから進入だけはセンターデフを可能な限りフリー方向にしたい」・・・といった相反する要素を求める場合、ノーマルACDの3つのモードだけではどうしてもどちらかを犠牲にせざるをえませんが、D-ACD-Mの機能を活かしたセッティングを行う事で、ノーマルACDの高度な制御は活かしつつも、よりドライバーの好みに合せたオリジナルのACDセッティングを見つける事が可能になります。
これまではACDをチューニングするという行為はACDコンピューター自体を書換えたり交換したりする他なく、若干敷居が高いイメージがあったのが事実…。もちろんこれまではユーザーが自ら手軽にセッティングできる物でもありませんでしたが、D-ACD-Mならばこれまでどうしても二の足を踏んでいたACDチューニング/セッティングがより手軽に楽しみながら行う事ができるのです。

○…セッティング方法は?
D-ACD-Mのセッティング可能項目は3つ…「CNR-G(横G)ボリューム」と「STR-G(加速G)ボリューム」そして「PWR-SPEED(ノーマル復帰車速設定)ボリューム」の3つのボリュームです。まずCNR-Gボリュームは主にコーナーリング時に大きな役割を果たします。ACDシステムはコーナー進入等で大きな旋回性能が必要な場合は極力センターデフの作動制限を弱めて回頭性能を向上させる方向に作動しますが、それを更にD-ACD-Mによる制御で自分好みにセッティング出来るのです。
簡単にいうとCNR-Gボリュームを㊨方向に回すとアンダー傾向(直結4WD方向)になり、逆に㊧方向に回すとオーバー傾向(センターデフフリー方向)にハンドリングが変化します。
そしてSTR-Gボリュームは主に立上がりや発進加速で大きな役割を果たします。ACDシステムは各種センサーからの情報を元に車が「加速状態」であると判断するとセンターデフの作動制限を強めより直結4WDに近くして加速性能を向上させる働きをしますが、これを更にSTR-Gボリュームでセッティングする事でよりドライビングや路面状況等の変化に合せる事が可能です。
これも上記のCNR-Gボリュームと調整方法は同様で、STR-Gボリュームを㊨方向に回すと直結4WD方向、㊧方向に回すとセンターデフフリー方向に変化します。
この2つのボリュームでの調整を上手く活用すると、これまでどうしても悩まされてきたアンダーステアやオーバーステアの特性をよりドライバーの感性に合せる事が可能で、しかも既存のACD制御ではなし得なかった細かな設定がドライバーの任意で素早くセッティングする事が可能なのです。
例えば、サーキット走行会等でタイヤの磨耗やコンディション変化によるグリップダウンにも、これまでは車そのもののセッティング変更で対応したり、ドライビング面で我慢を強いられるような場合が多くあったと思います。D-ACD-Mはそのような状況でも「ACDをドライバーが任意でセッティングする」というこれまでに無かった発想で、最も肝となる「ハンドリングの基本特性」を簡単なボリューム調整だけで可能にしたコントローラーと言ます。
そしてPWR-SPEEDボリュームは60km/h~180km/hの間でD-ACD-Mによる制御を完全にOFFにするポイントを設定できます。これはストレート区間での4WD抵抗を極力抑え、センターデフへの余計な負荷を減らし車速の伸びを狙うと同時に、システムの保護を視野にいれた機能です。
例えば、筑波サーキット2000ならば約140㎞以上、富士スピードウェイならば約180㎞以上といったあたりの速度であればほぼその速度域はストレート区間なので、D-ACD-Mの制御をカットしてセンターデフの抵抗を最小限に抑える事でストレートエンドでの車速アップも望めます。

○…同シリーズでGTR用の「D-ETS-M」があるけど、どう違うの?
DTMはランサーエボリューション用の《D-ACD-M》と、スカイラインGTR用の《D-ETS-M》の二種類がありますが、本体外観や操作方法が同じでも内部のCPUは全く別の物です。

○…D-ACD-Mを使えばエボをFR寄りのトルク配分に出来るの?
よく勘違いされるのが、「DTMによって前後のトルク配分が変化させられる」という点をランサーとGTRの両方に当てはめてしまうと間違いで、前後トルク配分が変わるのはスカイラインGTRの《E-TS》であり、ランサーエボリューションの《ACD》は前後のトルク配分は基本50:50のまま、センターデフの作動制限(ロック率)を変化させるシステムです。
GTRの場合は設定次第でかなりFR寄りに変化しますが、エボの場合はあくまでも前後の基本トルク配分は50:50の4WDである事を理解する必要があるでしょう。

○…同じ「CT9A」でもいろんなモデルがあるけど、適合は?取付は?
適合車種はランサーエボリューションⅦ・Ⅷ・Ⅸ(CT系)のACD搭載車であればA/T・M/T・グレードを問わず全車取付可能。幅広い適合性と、ほぼカプラーオンでの取付はDTMの大きな魅力のひとつです。(※車速設定機能を使用しない場合は完全カプラーオン。使用する場合はECUへの配線作業有り)

○…他社のACDコントローラー(ACDプログラム書き換え)を装着していますが併用できますか?
併用可能です。何故なら先にも書いたようにD-ACD-MはACDの基本プログラムには介入せず、ACDの4WDECUに入力される「Gセンサー」の値に増減を加えるものだからです。しかし場合によってはECUプログラムで補正されたマップに更に大きな補正を加えるため、4WDECUのGセンサーの認識可能範囲を超えてしまいACDチェックランプが点灯する場合があります。その場合はボリュームをチェックランプが点灯しない位置まで戻してご使用下さい。

○…正式な製品名は「D・T・M」なの?…じゃあ「D-ACD-M」って名前は何で?
「D・T・M」というのはエボ用とGTR用両方あわせた総称ですが、それぞれノーマル車のシステム自体の制御も本製品の制御も全く異なるため、あえてエボ用⇒「D-ACD-M」/GTR用⇒「D-ETS-M」といった2つの名前を設定し、フェイスパネルもそれぞれの車種専用でデザインしました。

○…D-ACDーMの推奨セッティングデータ等はありますか…?
車輌の状態やセッティング、そして走るコースやドライバーの好みによってD-ACD-Mのセッティングも様々なパターンが考えられますので、一概に推奨セッティングというのはありませんが、ノーマルACD制御や、社外のACDコントローラーではどうしても納得がいかない部分を、D-ACD-Mの優れた機能を活かしてセッティングしてみて下さい。D-ACD-Mの調整ボリュームは、少ない操作量でも確実に効果を体感出来る応答性とセッティング幅を持っているので、まず始めはボリューム中立状態から試してみて車のアンダー傾向/オーバー傾向を様子を見ながらセッティングしてみてください。

D-ACD-Mについてのお問い合わせは
ドゥーラック
神奈川県横浜市都筑区大熊町152-1
TEL:(045)-471-0500
FAX:(045)-471-0511