チューニングパーツ

■Do-Luck Torque Manager

for GT-R D-ETS-M 製品Q&A

○…まず「D・T・M《D-ETS-M》」とは?
ドゥーラックD・T・M《D-ETS-M》は、スカイラインGTR(32~34)に搭載される「アテーサE-TS」を任意にセッティングする事が可能です。「D-ETS-M」はアテーサE-TSの基本プログラムには介入せず、E-TS制御用ECUに入力される複数の信号の内の「Gセンサー」の入力値に増減を加えることで、アテーサE-TSによるフロントへのトルク配分をコントロールする事ができます。

日産のアテーサE-TSは、基本的には後輪駆動状態、走行状況の変化によって前後輪のトルク配分を0:100(FR)~50:50(4WD)の範囲で制御するシステムです。その制御に、ドライバーの意志を介入させる画期的アイテムが「D-ETS-M」です。アテーサE-TSのトルク配分は4輪に設けられた車輪回転センサー、横G(水平G)ー及び縦G(加速G)センサー、スロットル開度、エンジン回転数などの情報により決定され挙動を制御しているが、その制御はあくまで車がノーマルであることが大前提。足回りやエンジン等にチューニングが施された車輌には決してベストコントロールとは成り得ません。そこで「D-ETS-M」は、車の仕様にマッチしたE-TSセッティングを実現しました。トルク配分を任意に設定することで、弱オーバーステアから弱アンダーステアへとハンドリング特性を自在に変更できるのを始め、急加速時にフロントへのトルク伝達を速めることも可能に。また、トルク配分を固定する方式とは違いトランスファーに極端なダメージを与えることもありません。是非、自分流セッティングを存分に楽しんでください。

○…セッティング方法は?
D-ETS-Mのセッティング可能項目は3つ…「CNR-G(横G)ボリューム」と「STR-G(縦G)ボリューム」、そして「PWR-SPEEDボリューム」の3つです。CNR-G(横G)ボリュームは主にコーナーリング時に大きな役割を果たします、例えばコーナーへの進入等でのアンダーステアを抑えたい場合は《D-ETS-M》のCNR-Gボリュームを㊧方向に回す事で、よりFRに近いセッティングとして回頭性/旋回性を重視。
逆にオーバーステアが強い場合はCNR-Gボリュームを㊨方向に回す事でより4WDに近いトルク配分とし、安定性重視のアンダー方向にハンドリングを変化させます。

次にSTR-Gボリュームは、主に加速/減速時に大きな役割を果たします。これも、CNR-Gと同じようにボリュームは㊨方向に回すとより4WDに、㊧方向に回すとよりFR方向にトルク配分が変化します。
例えば、コーナー立ち上がりでオーバーステアが強い場合は《D-ETS-M》のSTR-Gボリュームを右方向に回す事でより4WDに近いトルク配分で安定感を獲得したり、逆にアンダーステアが強い場合はSTR-Gボリュームを左方向に回しフロントトルクを弱める方向にすると良いでしょう。

そして《車速設定ボリューム》はこれまで他社でも存在したE-TSコントローラーには存在しなかった新機能で、60~180㎞/hの間で任意にD-ETS-Mの制御をOFFにし、ノーマル制御に戻す機能です。
例えば、ストレートでは4WD状態が長く続くと抵抗が大きく、トップスピードの悪化やトランスファーへの負担が大きくなりますから、ある程度スピードが乗った位か、そのサーキットで最も速いコーナーリングスピード以上に設定すると、より有効的に4WDの抵抗を減らす事が可能です。

○…D-ETS-Mを使えばトルク配分「0:100」の完全なFRに出来るの?
出来ません。何故かというと、D-ETS-MはあくまでアテーサE-TSのコンピューターに入力されるGセンサーの値に補正を加えるものなので、限りなくFR寄りにすることは出来ても、完全なFRにすることは出来ません(※:アテーサE-TSはGセンサー以外にも車輪回転・エンジン回転・スロットル開度等の複数のセンサーを用いて制御されているからです:)
例えばドリフト走行をさせるような場合、D-ETS-Mの水平G&加速Gボリュームを共に目いっぱい左方向に回せば、Gセンサーからコンピューターに入力されるGの値をかなり補正する事は可能なので、ノーマル状態よりはテールスライドを誘発しやすくできます…しかし、先にも書いたようにアテーサE-TSの制はGセンサーの値だけで制御している訳ではないので、最終的にはフロントへのトルク伝達は開始されます。これはゼロヨン等でのスタート時にも言える事で、D-ETS-Mを最大限FR方向に振ってもFRのようなバーンアウトは出来ません。

○…正式な製品名は「D・T・M」なの?…じゃあ「D-ETS-M」って名前は何で?
「D・T・M」というのはエボ用とGTR用両方あわせた総称ですが、それぞれノーマル車のシステム自体の制御も本製品の制御も全く異なるため、あえてエボ用⇒「D-ACD-M」/GTR用⇒「D-ETS-M」といった2つの名前を設定し、フェイスパネルもそれぞれの車種専用でデザインしました。

○…同シリーズでEVO用の「D-ACD-M」があるけど、どう違うの?
DTMはランサーエボリューション用の《D-ACD-M》と、スカイラインGTR用の《D-ETS-M》の二種類がありますが、ランエボのACDはセンターデフの作動制限率を変化させるのに対し、GTRのアテーサE-TSはトランスファーでフロントへのトルク配分を変化させるシステムなので、根本的に違ったシステムなのです。ですから本体外観や操作方法が同じでも内部のCPUは全く別の物です。

○…D-ETS-Mの推奨セッティングデータ等はありますか…?
車輌の状態やセッティング、そして走るコースやドライバーの好みによってD-ETS-Mのセッティングも様々なパターンが考えられますので、一概に推奨セッティングというのはありません。アテーサETSのノーマル制御や、足回り等のセッティングでは補えない部分を、D-ETS-Mの機能を活かしてセッティングしてみて下さい。

ただ、セッティングする上でのポイントとしては、、本来のアテーサE-TSがどんな動きをしているかを考えるだけでも大きくセッティングの方向性が見えて来ます。GTRにはフロントトルクを表示するメーターが付いているので、走行中のその値を参考にしてみるのもいいでしょう。D-ETS-Mは、STR-G/CNR-Gどちらのボリュームも、少ない操作量でも確実に効果が分かる応答性と広いセッティング幅を持ち合わせていますから、まずは各ボリューム共に中立位置から試し、車のハンドリングバランスの様子を見ながらセッティングしてみて下さい。

D-ETS-Mについてのお問い合わせは
ドゥーラック
神奈川県横浜市都筑区大熊町152-1
TEL:(045)-471-0500
FAX:(045)-471-0511